先日開催された首都圏の若手僧侶の研修会の懇親会の場において、同輩が「伝道をどの様に定義してしていくかが大切だ」と言います。

伝道とは何か。

教科書通りに答えるならば浄土真宗本願寺派の宗制の前文の「宗門」の項目に掲げられている内容や、もっと簡潔に言うならば「お念仏のみ教えを人に伝える」といった内容になるのでしょう。

また、『蓮如上人御一代記聞書』の中にあるように、人々が他力の信を得ることが伝道の定義と言えます。

この宗門(しゅうもん)は、親鸞聖人(しんらんしょうにん)の教(おし)えを仰(あお)ぎ、念仏(ねんぶつ)を申(もう)す人々(ひとびと)の集(つど)う同朋教団(どうぼうきょうだん)であり、人々(ひとびと)に阿弥陀如来(あみだにょらい)の智慧(ちえ)と慈悲(じひ)を伝(つた)える教団(きょうだん)である。それによって、自他(じた)ともに心豊(こころゆた)かに生(い)きることのできる社会(しゃかい)の実現(じつげん)に貢献(こうけん)する。

浄土真宗本願寺派「宗制」
(URL: http://www.hongwanji.or.jp/mioshie/

一宗の繁昌と申すは、人のおほくあつまり、威のおほきなることにては
なく候ふ。一人なりとも、人の信をとるが、一宗の繁昌に候ふ。

『 蓮如上人御一代記聞書 』(『註釈版』P1271)

確かに、これらの事は理念としては崇高なものですが、一方、目標が抽象的過ぎて達成度を示す指標に設定しにくい(人が信を得たかどうかについては、他人は分からないので数値化できない)という面もあるようです。

その様な課題も意識されていたのでしょう、その同輩は「人がお念仏をする」ということを伝道の定義としてはどうかと提案していました。

「お念仏する場を増やす」ことを目標に掲げるのか「お念仏する人を増やす」ことを目標に掲げるのか深い入りした話にはなりませんでしたが、人が信を得たかどうかが外から分からない以上、抽象的な目標をより具体化して目標を設定した方が私たちの行動に繋がりやすいのかも知れません。

また、経営の世界では抽象的な目標をミッションや理念と言い、目指すべき理想の姿をビジョンと言うそうです。

このミッションとビジョンの関係を桃太郎の話に置き換えて紹介しているサイトがありましたが、とても分かりやすかったのでURLだけ紹介します(もしも桃太郎がミッション,理念,ビジョン,バリューを説明したら)。

理念(ミッション)ビジョン
桃太郎 村のみんなの楽しい暮らしを守ること 半年後に鬼が退治されていて、笑顔いっぱいの村になっていること
浄土真宗 阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、自他ともに心豊かに生きることのできる社会(しゃかい)の実現(じつげん)に貢献すること (例)念仏する機会となる行事を年間〇〇開催する。

次の記事では、この記事と関連のある『非営利組織の経営』ピーター・ドラッカー著の内容について紹介します。

この本は、浄土真宗本願寺派の宗会議員である池田行信先生のホームページ(「慈願寺」HP)で「お勧め」として紹介されていた本でもあります。

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